【ORASトリプル】第2回平日トリプルオフ使用構築 雨ガルエンペ【トリプルバトル】


はじめに

以前の記事で「エンペルトの特性が勝ち気じゃないの残念だと思ってたけど実は負けん気エンペルトも割りといけるのでは?」となった。今回は改めてそんなエンペルトに注目してパーティを組んでみた。

エンペルトの強みと弱み

前回までの使用感から負けん気エンペルトの強みと弱みを整理する。

エンペルトの強み

①優れた耐性
これはかの有名なエンペルトの弱点と耐性の一覧である。

X(旧twitter)に貼るとエンペルト村の民に囲われる

トリプルバトルでは範囲技が強いということは周知の事実だが、強い範囲技が撃てるタイプは決まっている。

フェアリー・飛行(スキンハイボ)・炎(熱風、噴火)・水(濁流、潮吹き)・氷(霰下吹雪)・岩(叩き雪崩)

これらが味方を巻き込まずに高い威力で撃てる範囲技を持つタイプであり、これに加えて味方巻き込みをケアしやすい地震がある地面タイプがトリプルバトルでよく見られる範囲技である。これらのタイプは所謂「範囲エース」と呼ばれる枠でほとんどのパーティに1体以上入っており、一貫しないようパーティを組まないと一方的な試合となるケースが出る。

見ての通り、エンペルトはこの内5つ(妖飛水氷岩)を半減以下にできる。加えて耐性受けできない炎、地面相手には水タイプの攻撃で打点を持つことができるのである。

さらに6世最強のメガガルーラのノーマル技も半減でき、トリプルバトルで欲しいタイプ耐性をかなり多く持っているポケモンだと言える。

逆に弱点は地面・電気・格闘。電気技はトリプル環境で採用されることが多くなく、地面は一番多いランドロスに対して負けん気アクジェで対抗可能、格闘は単体打点のみなので、粉指でいなしたり飛行タイプの技で対角から対処したりすることができる。取り巻きのポケモンを工夫すれば、弱点をついてくる相手にも強気に居座ることもできるのだ。

②スイーパー適正の高さ
上記のようにエンペルトは優れた耐性から広い範囲の相手の前で居座ることができ、それ生かして剣舞を積むことが可能である。これが特性負けん気と好相性である。

中央に立てるほどの耐久と制圧力はないが、A3段階上昇または雨下A+2なら相応のスイーパー適正を獲得できる。半端な素早さは先制技のアクアジェットで補えるのも嬉しい。

③特殊アタッカーとの誤認性
エンペルト種族値はC111に対してAは86と低めである。技もタイプ一致技は特殊の方が使いやすい。そのため相手は負けん気ノーマークで威嚇ポケモンを繰り出してくることがある。これはキリキザンをはじめとする他の負けん気ポケモンとの差別化点ともいえる。

強力な物理アタッカーと並べれば負けん気発動機会は十分に確保できるだろう。

④技選択肢の広さ
エンペルトを特殊型で採用した場合の攻撃技のタイプは水(熱湯、ドロポン、波乗り、誓い)・鋼(ラスカ)・氷(冷ビ、凍風、吹雪)・草(草結び)となる。

これが物理型になると意外と多彩な技を習得できる。タイプ別にみると水(滝登り、アクジェ)・鋼(鋼の翼)・飛(ドリル嘴)・悪(叩き落とす)・闘(瓦割り)、地(地震)、岩(岩雪崩)とかなり広い技範囲を有する。

特に叩き落とすが使い勝手が良く、他の技もカスタマイズの幅が広いので、パーティに合わせて強いエンペルトを模索しよう。ただし、技威力が低いため弱点をつけなければ(場合によっては弱点をついても)火力が足りないことも。

負けん気エンペルトの弱み

①日本晴れ状態に弱い
エンペルトは水タイプなのに炎技を等倍でもらってしまう。耐久力数値も並よりちょっと上くらいなので、晴れ補正の乗った攻撃は受けたくない。

加えて元々かつかつのアクアジェットの火力がさらに下げられてしまっては、水タイプといえど炎タイプを相手にすることができないのである。

②素の火力の貧弱さ
ステータス上の数値、技威力は両方とも特殊型に劣るため、素の火力指数は一般的に高いとは到底言えない。負けん気発動機会に恵まれず、剣舞もできなければ微塵にも相手への圧力をかけられない。

また、横取りや黒い霧で能力上昇を妨害してくる相手も天敵となる。エンペルトを置物にされてトリプルバトルなのに3vs2になることだけは回避しなければならない。

エンペルトを生かすには

以上を踏まえてエンペルトを生かすには
①強力な物理アタッカーと組ませる
②格闘技から守りながら剣舞を積む隙を生み出せるポケモンと組ませる
③雨パに混ぜる
などが有効であると考えられる。

ん~、これは……

mnhietranger.hatenablog.com

これのキリキザンエンペルトにしたらいいんじゃね?

回してるうちにバレルの怒りの粉で技を吸えないビリジオンにぼこぼこにされたのと、モロバレルが結局怒りの粉しかしてなくて、だったらいるだけでもっと場に影響与えられるポケモンがよくね?となってピッピを投入して完成。

エンペルト@たべのこし(まけんき)

アクアジェット/はたきおとす/ドリルくちばし/つるぎのまい

ガルーラ@ガルーラナイト(きもったま)

おんがえし/グロウパンチ/ふいうち/ねこだまし

ニョロトノ@ラムのみ(あめふらし

ねっとう/こごえるかぜ/てだすけ/ほろびのうた

キングドラ@しんぴのしずく(すいすい)

まもる/だくりゅう/りゅうのはどう/あまごい

ファイアロー@こだわりハチマキ(はやてのつばさ

ブレイブバードフレアドライブ/とんぼがえり/ちょうはつ

ピッピ@しんかのきせき(フレンドガード)

まもる/このゆびとまれひかりのかべ/よこどり

ぽけっとふぁんくしょん!

パーティ紹介

エンペルト

意地っ張りHA252B4負けん気@食べ残し
アクアジェット/叩き落とす/ドリル嘴/剣の舞

今回の構築の主役。強みと弱みはそれぞれ上記の通り。持ち物は以前くらうんさんにご提案頂いた食べ残し。耐性を生かして居座って剣の舞を積みたいので相性がいい。

キザンとの違いは耐性による居座り性能と不意打ちじゃんけんしなくていいところ。自分は不意打ち弱者なので2つ目は割りとありがたい。

技は色々候補を挙げたが、水悪飛の範囲がかなり優秀だと感じた。ドリル嘴が微妙に火力が足りないことが多いので、他の技にしてもいいかもしれない。守るや身代わり?他の攻撃技?う~む……。

ガルーラ

陽気AS252H4肝っ玉→親子愛@ガルーラナイト
恩返し/グロウパンチ/不意打ち/猫騙

今回のメガ枠。負けん気ポケモンと相性がいいので採用。元の雨ガルキザンのパーティはけたぐり型だが、ピッピが入ったことで耐久補助ができることから居座ってのリターンが大きいグロウパンチを採用。

他のパーティで初めてガルーラを使った時は中央に出しても範囲技がなくてメガ枠なのに制圧力足りなくね?と思っていたが、最近になって端に置いて正面のポケモンとシングルバトルできる状況を作るポケモンだと気付いた。

ニョロトノ

控えめH252B92C164雨降らし@ラム
熱湯/凍える風/手助け/滅びの歌

雨降らし役。ニョロトノキングドラの構成は元記事のままなのでそちらを参照されたし。自分ではピンときていなかったが、大会で実際にちゃんとメガガルーラの捨て身を耐えて偉さを感じた。

一番使ったのは手助けで、キングドラの濁流で制圧しにいったり、ファイアローの鉢巻ブレバでメガガルをワンパンしたり、エンペルトアクアジェットの範囲を伸ばしたりと活用場面が多かった。

雨の維持は結構重要で、エンペルトが剣の舞1回だけでランドロスヒードランドリュウズアクアジェットでワンパンできるようになる。これでエンペルトの動きの自由度が大きく変わる。

キングドラ

控えめH100C252S156すいすい@神秘の雫
最近普通のCS252H4だったことに気づいた
守る/濁流/竜の波動/雨乞い

雨エース。ガルーラ相手に出てくるドランランドに強いので相性がいいらしい。雨クチートでは別の枠にされることが多いが、今回は味方を巻き込まない水範囲打点、対角に撃てる竜の波動等替えが効かない。

雨乞いの枠は命中安定単体技の熱湯や最大火力のハイドロポンプも候補。天候奪取用だが、後述のファイアローの蜻蛉返り+ニョロトノ交代での天候維持もあるので変えてもよかったかも?砂と対戦してないのでそこが未知数。

ファイアロー

意地っ張りH84A252S172疾風の翼@拘り鉢巻
ブレイブバード/フレアドライブ/蜻蛉返り/挑発

相手のパーティや試合展開によって3つの役割があるので、どこで切るべきか見極める必要がある。
①初手に出すパターン。晴れ(特にメガリザY)相手に蜻蛉返りで天候を取りにいく。蜻蛉返りはダメージに期待せずに守るがなさそうな相手にうつ。

②序~中盤に出すパターン。こちらに都合の悪い相手を手助けブレバや晴れただ乗りフレドラで強引に持っていく。

③終盤に出すパターン。どうやってブレバ圏内に入れるか、どの順番に倒すかを考えて詰め筋を読みろう。

挑発は使わなかったので要審議。寝言などが候補。

ピッピ

生意気H236B76D196フレンドガード@進化の輝石
守る/この指とまれ/光の壁/横取り

元記事ではモロバレルだった枠。怒りの粉しかしてなかったので、いるだけで味方の耐久補助ができて、横取りで相手のファスガを剥がせるピッピにした。(先制技で上から殴る構築なのでワイガよりファスガが辛い)

光の壁がとても偉かった。初手に出した時にとりあえず押せば仕事になるし、ピッピ自身の耐久も上がるので、対特殊でのこの指の価値が大きくなる。

癒しの波動も使ってみたが、どうも上手く扱えなかった。まずトリルにするパーティではないので後攻癒しの波動になるのが使いにくい。また、ピッピが他のポケモンを回復させないといけないということは既にピッピが仕事をさせてもらえていない状況なので、そうなる前にピッピに役割を与える立ち回りをすべきと感じた。

選出パターン

①ガルーラ/ピッピ/エンペルト
基本の形。ピッピで両隣を守りながらグロウパンチと剣の舞を積む。

ファイアロー/キングドラ/ニョロトノorピッピ
対晴れで天候を取りにいく形。

③ガルーラ/キングドラ/ニョロトノ
エルテラドー等のドーブル入りに対して。猫騙し+すいすい濁流でどうにかしてもらう。場合によっては猫騙し温存ムーヴも。

後はできるだけ
中央……ピッピ、キングドラ(手助け+単体技が有効ならニョロトノもあり)
端……ガルーラ、ファイアローエンペルト
と展開していきたい。

戦績

11月頭くらいから使って割と勝てたので通常ルール大会に持っていきたかったがタイミングが合わず。12/17(日)の平日トリプルオフにやっと出して優勝できた。

オフ会直前の1週間でもフリーで10数戦して2回しか負けなかったので、本戦も合わせて直近では9割くらい勝ってたと思う。(2敗のうち1敗はフリーでのたわしさん戦、もう1敗はサイドチェンジキングラー)

今回はレート民のパーティがベースあるが、やはり先人は偉大であると感じた。自分では1からこのようなパーティを作ることはできないので、この場を借りて感謝の意を表明する。


追記(2024/03/09)
1月から2月にかけて開かれた2024トリプルバトル団体戦に「からくさとともに」中堅(ダークホール禁止ルール)として出場し、チーム3位個人8-0だった。

全勝ということにはなっているが、この構築のベースとしたエトランゼさんの雨ガルキザンと対戦して負け盤面から濁流二連回避で勝ってしまったので実質は7-1である。改めてエトランゼさん対戦&構築アイデアありがとうございました。チーム優勝もおめでとうございます。

平成勢令和勢入り交じってガチの対戦をして、ブログを読んで参考にさせてもらっていたあの人やこの人とも対戦したり、競い合えたのは本当に楽しかった。

終わりに

エンペルトはA種族値以外はトリプルでの物理アタッカーとして活躍できる要素を持っていると感じました。そして初めてのオフ会でも優勝に導いてくれた思い出に残るポケモンになりました。オフレポもまた追々。

ちょいちょい告知していますが、2/24(土)には九州でもオフ会を企画しております。今回オフ会で楽しませてもらったので、次は自分がそのような体験を他の人にしてもらえるように準備していきたいです。


画像引用元
トレーナーカードジェネレーター様
ぽけっとふぁんくしょん様
ポケモンずかん